てんかんのある女性の妊娠・出産・育児 part.1
「てんかんのある女性の妊娠・出産・育児 part.1」
てんかんをテーマにした理由は、身近な人が「てんかん」の診断を受けており子どもを授かってから私自身が妊娠とてんかんについて様々な文献を読み勉強したからです。
同じような経験をしている人にとって参考になれば嬉しいです。
part.1として以下の文献を参考に
記載されている内容を要約していきます🔎
山内俊雄 埼玉医科大学名誉学長 監修のもと作成された
「てんかんinfo No.3」
以下のURLからダウンロードできますよ!
https://www.tenkan.info/download/pdf/2010_FemaleEpilepsy.pdf
妊娠
主治医と相談し胎児に影響の少ない薬に見直すなど計画的に妊娠・避妊・不妊に取り組みましょう。赤ちゃんを育てながらの生活が可能なのかご家族との相談も必要です
主治医に確認しておくべきこと(4つ)
①発作の起こりやすさと変化
発作回数の増加は16%
主な原因は抗てんかん薬の不規則な服用と睡眠不足
②胎児や新生児に対する抗てんかん薬の影響
障害が発現する関連性は無い
重度の発作を繰り返した場合には胎児が低酸素状態となるため
切迫流産や切迫早産の可能性が1%ある
妊娠初期に発育の遅れがみられることもある
③てんかんの遺伝性
90%以上は発症することは無い
てんかん発症率:健常時では1% てんかん女性では8~9%
④妊娠から出産までの道筋
一番大切なのは
発作を起こさないようにすること
母体の体調を安定させること
胎児の成長とともに母体の体重増加があり
血中濃度が低くなり薬の効果が弱まることもあります
発作の状況を主治医に相談しながら
薬の調整を行っていきましょう
※2/3は月経期に発作が増加すると言われています
月経中だけは5%程度です
妊娠3ヶ月前から葉酸をとることが推奨されています
抗てんかん薬には体内の葉酸を減少させるものもあるので
必要に応じて血中濃度を測定したり
葉酸の処方を行いましょう
出産
90%以上の人が自然分娩で出産しています
分娩中の発作は低酸素状態が続くことで
胎児への障害が心配されるため
抗てんかん薬の服用は継続します
産後・育児
出産後は睡眠不足に陥りやすく発作の悪化を招くこともあります
子どもを抱いてる時に発作を起こすと
子どもに怪我をさせてしまう場合もあります
育児はパートナーや家族の協力は不可欠です
理解してもらい分担して取り組みましょう
母子の安全のために
授乳や着替えは床で行い
1人でお風呂に入れない、危険な行動は避けるなど
日常生活に一層気をつけましょう
母乳を通して子どもに薬が移行する場合があるため
赤ちゃんの哺入力の低下や眠り過ぎなどに注意しながら
主治医と相談ましょう
認知機能の発達遅延との調査結果もあるため
定期的に発達検査を受けるようにして
早い段階から対処していきましょう