緊張すると“あくび”が出る理由は？

緊張しているのに「あくびが止まらない…」という経験、誰にでもありますよね。

面接、プレゼン、試験前、初対面の場で出るあくびは、眠いからではなく脳と自律神経の反応です。

なぜ緊張であくびが出るのか？そのメカニズムと対処法を、医療視点でわかりやすくまとめました。

この記事を読むとわかること

1. 緊張するとあくびが出る理由は？

緊張状態であくびが出るのは、簡単に言うと脳を冷やそうとする防御反応と自律神経のバランス調整が働くためです。

脳は熱に弱いため、深い吸気によって冷たい空気を取り込み、脳の温度を下げようとします。
【緊張 → 心拍数上昇 → 脳の温度も上昇 → あくびで冷却】 という流れです。

緊張すると交感神経（戦う・逃げるが優位）が強く働きすぎます。
あくびは副交感神経をONにするスイッチとして働き、体を落ち着かせようとします。

緊張して呼吸が浅くなると、脳が「酸素が足りていない」と判断し、深い呼吸をさせるためにあくびを誘導します。

つまり、緊張であくびが出るのは「リラックスさせるための善い反応」なのです。

あくびは、以下の複数の仕組みによって発生します。

・横隔膜が大きく動く

・胸郭が広がり深い吸気 → 体内のガス交換が一気に行われる

あくびは意志では止めにくく、「脳幹の反射」によるもの。

深い呼吸で一時的に心拍が整い、自律神経のバランスがリセットされる。

【メカニズムまとめ】
深い吸気 → ガス交換 → 脳の冷却 → 自律神経の調整 → 体と脳を「集中モード」へ戻す

ゆっくり吸う（4秒） → 止める（2秒） → 吐く（6秒）
これで副交感神経が働き、あくびが減ります。

浅い口呼吸 → 脳の酸素不足 → あくびのルートを防ぐ効果があります。

緊張で肩がすくむ → 呼吸が浅くなる → あくびこの流れを断ち切るために効果的。

・肩を上げてストンと落とす・手首を回す・軽く体を揺らす → 交感神経の過活動を抑制

脳の興奮を一時的にリセットし、あくびを抑えます。

あくびは「緊張のサイン」ではなく「脳の自動調整」。 無理に止める必要はなく、整えることで自然に減ります。

あくび＝だらしないわけではなく、「脳が集中しようとしている証拠」です。