インフルエンザとは?まず押さえておきたい基礎知識
インフルエンザは「インフルエンザウイルス」による急性の感染症です。
毎年冬に流行し、高熱・全身倦怠感・関節痛など、かぜより強い症状が出ることで知られています。
A型・B型など複数のタイプがあり、毎年少しずつ姿を変えるのが特徴です。

✔ 主な感染経路
- 飛沫感染(咳・くしゃみ)
- 接触感染(ドアノブ・手すり・物を介して)
特に人が多い場所では一気に広がりやすいのが特徴です。

A型とB型は何が違う?(一覧表)
| 項目 | A型 | B型 |
|---|---|---|
| 流行の特徴 | 大きな流行を起こしやすい | 地域限定の流行が多い |
| 症状 | 高熱・関節痛が強く出る傾向 | 胃腸症状がやや多い |
| 型の種類 | 多数(変異しやすい) | 変異は少なめ |
| ワクチン | 同じワクチンで両方に対応 | |
A型は「変わりやすい性格」、B型は「比較的落ち着きがある性格」というイメージを持つと分かりやすいです。
なぜ冬に流行するの?
✔ 流行が冬に集中する理由
- 空気が乾燥し、ウイルスが長時間生存しやすい
- 人が閉め切った室内に集まりやすい
- 鼻やのどの粘膜が乾燥し、防御力が落ちる
特に湿度が40%を切ると、ウイルスが一気に広がりやすくなります。
加湿・換気が重要と言われる理由はここにあります。

なぜワクチンは毎年必要なの?「型が違う」とは?
インフルエンザワクチンを毎年打つのは、主に以下の2つの理由です。
① ウイルスが毎年少しずつ姿を変える(抗原変異)
つまり、去年のワクチンが今年のウイルスに効かないことがあるためです。
② ワクチンの効果は約5〜6か月で薄れる
流行期の冬にしっかり免疫を維持するためには、毎年の接種が必要になります。
「型が違う」というのは、ウイルスの表面の構造が違うため、免疫の効き方も変わるという意味です。
インフルエンザの主な症状
- 38℃以上の高熱
- 悪寒・全身倦怠感
- 関節痛・筋肉痛
- 咳・喉の痛み
- 頭痛
- 食欲低下
- B型は腹痛・下痢などの胃腸症状も
治療内容(タミフル・ゾフルーザなど)
治療は「抗インフルエンザ薬」を発症から48時間以内に使うと効果が期待できます。
- タミフル(内服)
- リレンザ(吸入)
- イナビル(吸入)
- ゾフルーザ(内服)
軽症であれば自然に回復することもありますが、体が弱い人・持病がある人は重症化リスクが高いため、早めの受診が推奨されます。
★ 予防投与(予防タミフル)とは?
家族がインフルエンザにかかり、同居者が高リスク(高齢者・免疫が弱い人など)の場合に、発症予防として抗ウイルス薬を服用することがあります。
学校・会社を休む期間(登校・出勤の目安)
✔ 学校(学校保健安全法)
発症した後5日経過し、かつ解熱後2日 は登校できません。

✔ 会社(法的な決まりはない)
多くの職場は「解熱後2日(3日)」が目安。
食品を扱う仕事などは厳しめに設定されることがあります。

家庭でできる予防方法
- ワクチン接種(重症化予防)
- 手洗い・アルコール消毒
- 十分な睡眠と栄養
- こまめな換気
- 加湿(湿度50〜60%)
- 人混みではマスク着用
インフルエンザの時に助かる行政・民間サービス
- 自治体の発熱外来情報:混雑状況が分かる地域もある
- オンライン診療:薬の宅配が可能な場合あり
- ドラッグストアの宅配サービス(日用品・経口補水液など)
- 食事の宅配サービス(ウーバーイーツ、出前館)
- ベビーシッター補助制度:親がインフル時に助かる制度を設けている自治体も
とくに一人暮らしや子育て家庭は、オンライン診療や宅配をうまく使うことで、体力を使わずに必要な支援を受けられます。
まとめ:ポイントを簡単に振り返り
- A型は変異しやすく大流行しやすい
- B型は局地的な流行で胃腸症状もあり
- ワクチンは「毎年変わるタイプ」に合わせて作られる
- 流行の理由は乾燥と密集
- 治療は48時間以内の抗ウイルス薬が鍵
- 登校停止は「発症後5日・解熱後2日」
- 予防は手洗い・換気・湿度管理が重要
気になる部分は何度でも見返して、冬の健康管理に役立ててください。