免疫を落とさないために大切なこと
睡眠・食事・運動・自律神経をわかりやすく解説
風邪やウイルスが流行する季節になると「免疫が大事」とよく言われます。
しかし、実際に免疫が落ちる仕組みや、何をすれば維持できるのかは意外と知られていません。
医学的視点も交えながら、免疫を落とさないためのポイントを「睡眠・食事・運動・ストレス・環境」の5つに分けて解説します。
● 免疫が落ちるとなぜ風邪を引きやすくなる?
私たちの体は、ウイルスに対して「自然免疫 → 獲得免疫」の順に防御します。
特に重要なのがNK細胞(ナチュラルキラー細胞)と粘膜免疫(IgA)です。

これらが低下すると、同じウイルス量でも感染する確率が一気に上がります。
1. 睡眠は「免疫維持の土台」-深い睡眠がNK細胞を高める
最もエビデンスが強いのが睡眠です。
深い睡眠(ノンレム睡眠)が増えると、NK細胞の活性が20〜30%上昇すると報告されています。
| 悪い睡眠 | 免疫への影響 |
|---|---|
| 寝る時間が遅い | メラトニン低下 → NK細胞の働き低下 |
| 睡眠不足 | 自律神経が乱れ交感神経優位に |
| 就寝直前のスマホ | 脳覚醒 → 免疫抑制ホルモン(コルチゾール)増加 |
■ 深い睡眠を増やすポイント
- 就寝1時間前にスマホをやめる
- 寝る3時間前までに食事を済ませる
- 朝日を浴びて体内時計をリセット
- 17〜19時の軽運動で睡眠の質向上
2. 食事-免疫細胞を動かす「材料」を入れること
免疫細胞は「タンパク質・ビタミン・ミネラル・脂質」から作られます。
どれかが欠けると、免疫担当細胞がうまく働きません。
■ 免疫に必要な主要栄養素
- タンパク質:免疫細胞そのものの材料
- ビタミンD:NK細胞活性を高める(魚・きのこ・日光)
- ビタミンC:抗酸化・粘膜強化(野菜・果物)
- オメガ3脂肪酸:抗炎症(青魚・ナッツ)
- 食物繊維:腸内環境を整える
特に最近注目なのがビタミンD不足=感染リスク上昇という研究。
日光にあたる時間が短い冬こそ意識したい栄養素です。
3. 運動-軽い運動が免疫の循環を高める
運動は「しすぎると免疫低下」するため、量が重要です。
| 運動量 | 免疫への影響 |
|---|---|
| 軽めの有酸素運動(20〜40分) | 免疫細胞の巡回が促進 |
| 強すぎる運動(マラソンなど) | 免疫抑制・炎症物質増加 |
■ 免疫を上げる運動の目安
- 早歩き 20〜30分
- 軽い筋トレ 10分
- ヨガやストレッチ
4. ストレスと免疫-自律神経が免疫の司令塔
ストレスが続くと、交感神経が高まり 免疫抑制ホルモン「コルチゾール」が増えます。

ストレスケアは「精神論」ではなく、免疫学的にも極めて重要です。
■ 自律神経を整える方法
- 呼吸をゆっくり(1分6回程度の呼吸が最適)
- お風呂は40℃・10〜15分
- 寝る前に照明を暗めのオレンジに
- 短時間の散歩で副交感神経を活性化
5. 環境-乾燥対策と空気の質が免疫の第一線
粘膜(喉・鼻)の乾燥は、ウイルスが付着しやすく免疫が落ちる最大の要因。
湿度40〜60%を保つことが、専門家の推奨ラインです。
■ 免疫を守る環境づくり
- 加湿器で湿度45〜55%を維持
- 空気清浄機でアレルゲン・PM2.5を減らす
- 水を飲む(唾液IgAを維持する)
まとめ(免疫を落とさない5つの柱)
① 睡眠の質(最重要) ② バランスの良い食事 ③ 軽い運動 ④ ストレスケア(自律神経) ⑤ 乾燥しない環境づくり
どれも「すぐ始められて科学的根拠あり」の方法です。
特に冬の感染症シーズンでは、これらを組み合わせることで風邪のリスクを大きく下げられます。
無理のない範囲で、今日から取り入れていきましょう!!
